犬と猫の地域包括ケアをめざして――第1回 ファシリテーション記録(2025年10月7日)
神奈川県・大和市で「最期まで寄り添う動物病院」を掲げる
犬猫の緩和ケア 代表・吉田さん(https://inunekokaigo.com/hp/)。
2022年4月の開業以来、動物の“最期の時間”を見つめながら、
飼い主の心にも寄り添うケアを続けてこられました。
今後は、病院という枠を越え、
看護が必要な犬や猫の飼い主に、地域の多様な事業者と共に支援を届けていく構想を描かれています。
その新規事業推進のファシリテーターとして、
私・栗林(aund)がご一緒させていただくことになりました。
さらに今回は、
飼い主や獣医師向けのアプリ開発を手がける e-PON代表・鷲沼さん(https://e-ponvet.com)にもご参加いただき、
想いと専門性の交差する場となりました。
■ 第1回セッション概要
日時:2025年10月7日(火)11:00〜
内容:自己紹介、事業構想整理、目標設定、スプリントクエスチョン
はじめに、お二人の想いやこれまでの経緯を共有しながら、
新規事業の進め方(Ideation〜Scale)を確認。
その上で、「5年後・1年後・半年後」の3ステップでありたい姿を言語化しました。
- 5年後(2030):日本中で犬猫の飼い主が地域の専門家チームと共に生きる
- 1年後(2026):県央地域で「飼い主×専門家チーム」の地域モデルを構築
- 半年後(2026年4月):症例モデル3件の実証検証を実施し、型化・再現性を確認
さらに、外部からの視点(outside-in)と破壊的イノベーションの重要性を確認し、
「犬猫の地域包括ケアプロジェクト」としての方向性を共有しました。
■ スプリントクエスチョン
次に取り組んだのが、
「何が起こると失敗するか?」という問い。
理想を描くだけでなく、リスクを明確化することで、
落とし穴を先回りして防ぐ――これがスプリントの肝です。
出てきた主な懸念は以下の通りです。
- 専門家チームの構成事業者が不足する/理想の構成像が不明確
- ビジネスモデルの破綻
- 大きな課題が存在しない、または飼い主側のニーズが少ない
これらを踏まえ、今後は
「飼い主ヒアリング」を軸に課題の実在性を確かめ、
どのような結果が出たら“市場がある”と判断できるか、
定量的な基準づくりにも挑戦していく予定です。
■ ファシリテーション視点から
初回セッションでは、共通言語と共通目的の可視化が最も重要なテーマでした。
想いが深いテーマほど、言葉が人によって異なりがちです。
しかし、ファシリテーションを通じて「何を目指しているのか」「どこまでを範囲とするのか」を整理することで、
チームとして同じ方向を向くことができます。
今後は、ヒアリング設計やプロトタイプ検証を通じて、
“地域包括ケアの実装モデル”を形にしていく予定です。
引き続き、進捗をこちらで発信してまいります。
2回目の投稿:https://aund.jp/archives/2022
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