【全員参加型】フォロワーシップで会議が変わる!組織の成果を高める新時代のアプローチ

フォロワーシップで会議が変わる!
~組織の成果を高める新時代のアプローチ~

目次

1.フォロワーシップとは?
2.なぜ会議にフォロワーシップが必要なのか
3.事例に学ぶ「最初のフォロワー」の重要性
4.会議でフォロワーシップを発揮する具体的ステップ
5.心理的安全性とフォロワーシップの関係
6.まとめ:フォロワーシップで全員参加型の会議へ

1. フォロワーシップとは?

「チームを成功に導くのはリーダーの役目」という認識は一般的ですが、実はメンバー側の主体的な行動がチームの成果を大きく左右します。これをフォロワーシップと呼び、リーダーがどれほど優れたビジョンや計画を示しても、メンバーが“受け身”のままだと大きな成果にはつながりません。では、フォロワーシップとは具体的にどのようなものなのでしょうか?


1-1. リーダーとフォロワーは補完関係

フォロワーシップとは、リーダーの指示をただ待つのではなく、自律的に組織やチームの目標達成に貢献する姿勢を指します。

  • 積極的フォロワー: リーダーを支えるために、自分の意見をしっかりと述べ、改善策を提案する。
  • 批判的フォロワー: 問題点を指摘し、建設的なフィードバックを行う。ときにはリーダーに対しても「それは違うのでは?」と勇気を持って提案する。

リーダーとフォロワーが互いに補完し合うことで、チーム全体のパフォーマンスが飛躍的に高まるのです。


1-2. なぜフォロワーシップが重要なのか

(1) リーダーの限界を補う

どれほど有能なリーダーでも、一人で把握できる情報やアイディアには限界があります。フォロワーが主体的に動くことで、リーダーが見落としがちな問題や新しい視点が浮かび上がり、チームとしてより最適な意思決定が可能になります。

(2) 組織の柔軟性が高まる

指示待ちのメンバーばかりだと、環境変化に即応できない組織になりがちです。フォロワーシップが根付いたチームでは、メンバーが自発的に課題を見つけ、解決策を探し、リーダーをサポートするため、変化に強い柔軟な組織へと進化します。

(3) リーダーへの過度な依存を防ぐ

リーダーが不在でもチームが動き続けられる組織こそが強い組織です。フォロワーシップが発揮されれば、リーダーの存在が「指示者」ではなく「支援者」となり、メンバー一人ひとりがリーダーシップとフォロワーシップを使い分けながら動けるようになります。


1-3. リーダーがフォロワーを育てるための視点

「自分の部下はどうも受け身で、積極的に意見を言ってくれない」という悩みを抱えるリーダーの方も多いでしょう。フォロワーシップは、リーダーが以下のような工夫をすることで育まれやすくなります。

  1. 心理的安全性の確保
    「失敗してもいい」「間違った意見でもいい」というメッセージを明確に示し、部下が意見を出しやすい環境を作ることが第一歩です。
    • 現場イメージ: 「もし君のアイディアがうまくいかなくても、そこから学べることは必ずあるよ」とリーダーが声をかけることで、部下は安心して発言できる。
  2. 建設的なフィードバックを奨励
    フォロワーがただ「はい」と従うだけでなく、問題点やリーダーへの提案を遠慮なく言える雰囲気が大切。
    • 現場イメージ: リーダーが「ここはどう思う? 他にいいアイディアある?」と尋ね、部下が「実はこういうリスクがあると思います」と返したら、「それは気づかなかった、助かるよ」と素直に受け止める。
  3. 部分最適から全体最適へ意識を切り替える
    「自分の仕事だけやっていればいい」という受け身の姿勢ではなく、チーム全体の目標を意識するよう促す。
    • 現場イメージ: 部署の垣根を超えたプロジェクトで、リーダーが「うちの部署の利益だけでなく、会社全体として何が最善かを考えてほしい」と伝え、部下に責任ある役割を任せる。

フォロワーシップは、リーダーシップと同様に「場づくり」と「信頼関係」によって育まれます。リーダーが一方的に指示を出すだけの組織では、メンバーは指示待ち人間になりがち。しかし、リーダーがフォロワーを尊重し、意見を歓迎する姿勢を示すことで、メンバーは「自分もこのチームを動かす一員だ」と感じ、自発的に動き始めるのです。

次章では、なぜ会議の場でフォロワーシップが特に重要なのか、そして全員参加型の会議を実現するためにリーダーが意識すべきポイントを探っていきます。

関連記事:「会議を変革する新時代のリーダーシップ!サーバント×インクルーシブで組織を加速させる方法

2. なぜ会議にフォロワーシップが必要なのか

会議は、組織やチームの意思決定やアイディア創出の要となる場です。リーダーが明確なビジョンを示すことはもちろん大切ですが、それだけでは会議が「指示の受け渡し」で終わってしまいがち。メンバー一人ひとりがフォロワーシップを発揮し、主体的に参加することで、会議はより創造的かつ実行力のある場へと変わります。


2-1. リーダーシップとフォロワーシップの補完関係

リーダーシップとフォロワーシップは対立する概念ではなく、相互に補完し合う関係です。

  • リーダーシップ: 方向性を示し、会議の土台を整える(議題設定・場のデザイン・進行管理など)
  • フォロワーシップ: リーダーの提示する方向性を受け止めつつも、主体的に意見を出し合い、チーム全体を前進させる

この補完関係が機能すれば、リーダーが孤軍奮闘するのではなく、メンバー全員が会議の成功に貢献し、結果的に意思決定の質やスピードが向上します。


2-2. 会議が「指示の場」で終わらないために

よくあるパターンとして、リーダーが一方的に話し、メンバーは「はい」と受け止めるだけの会議があります。こうなると、以下の問題が起こりやすくなります。

  1. アイディアが出にくい
    メンバーは自分の考えを述べる機会がなく、リーダーの意向にただ従うだけになるため、クリエイティブな発想が埋もれてしまいます。
  2. モチベーションが低下
    会議が「決められたことを聞く場」だと感じると、メンバーは主体性を失い、やらされ感が強まります。
  3. 合意形成が浅い
    リーダーが決定したことを追認する形だと、メンバーは本当の意味で納得していないことが多く、実行段階で摩擦が生じがちです。

フォロワーシップが発揮されることで、こうした問題を防ぎ、全員が納得感を持って決定に参加できる会議へと変えられます。


2-3. 全員参加型の会議がもたらすメリット

  1. 多様なアイディアの創出
    フォロワーが自分の専門知識や経験を活かして意見を出すため、リーダー一人では思いつかないような視点や解決策が生まれやすくなります。
  2. 納得感のある合意形成
    参加者全員が議論に加わることで、「誰が決めたか」ではなく「みんなで決めた」という共通認識が生まれ、会議後の実行力も高まります。
  3. チームの結束力・学習効果の向上
    メンバーが互いにフィードバックを行い、意見を交換するプロセスで、個々の学習機会が増え、チームとしての結束力が強まります。

2-4. リーダーがフォロワーシップを引き出すためのヒント

  • 明確なゴールを提示する
    会議の目的や議題が不明確だと、フォロワーは意見を出しづらくなります。まずは「何を目指しているのか」をはっきり示し、方向性を共有しましょう。
  • 安全に発言できる雰囲気をつくる
    メンバーが気兼ねなく意見を言えるよう、批判や否定ではなく、建設的なフィードバックを行う文化を育むことが大切です。
  • フォロワーの意見を尊重し、活かす
    出されたアイディアを軽視せず、採用できそうなポイントがあれば積極的に取り入れましょう。小さな成功体験が、さらなるフォロワーシップの発揮につながります。

フォロワーシップが発揮される会議は、リーダーの負担を軽減するだけでなく、メンバー全員が自分ごととしてアイディアや改善策を提案し合うため、組織としての知恵が集約されやすくなります。次章では、TEDの事例「How to Start a Movement」をもとに、フォロワーが動き出すことでどのようにムーブメントが形成されるのか、そのメカニズムを紐解いていきましょう。

3. 事例に学ぶ「最初のフォロワー」の重要性

会議の場でフォロワーシップを発揮するメリットは理解していても、実際にどのように始めればよいか迷う方も多いでしょう。そこで参考になるのが、TEDで有名になった「How to Start a Movement」という事例です。この映像では、一人の男性が孤独に踊り始めたところへ、最初のフォロワーが加わることで一気に周囲が巻き込まれ、大勢が踊り出す“ムーブメント”が生まれる過程が描かれています。
参考:「How to Start a Movement


3-1. 孤独なリーダーから「二人のムーブメント」へ

  1. リーダーが最初の行動を起こす(図1)
    まず、ある男性が周囲の目を気にせず裸足で踊り始めます。彼は“リーダー”の役割を担い、他の人とは異なる行動を示すことで「何か新しいことが始まった」と周囲に伝えました。
    • 会議のイメージ: リーダーが会議で「こんなアイディアはどうだろう?」と、従来の方針とは異なる提案を示す瞬間に相当します。
  2. 最初のフォロワーが現れる(図2)
    その次に登場するのが、“最初のフォロワー”です。緑のシャツを着た男性が加わることで、リーダーの行動は“孤独な挑戦”から“二人のムーブメント”へと変化します。最初のフォロワーは、リーダーを支えるだけでなく、「これに参加しても大丈夫」という社会的な安心感を周囲に与えるのです。
    • 会議のイメージ: リーダーが出したアイディアに対し、誰か一人が「それ面白そうですね! 自分もこういう観点で協力できますよ」と積極的に賛同する姿勢を示す。
  3. 大勢が加わり、ムーブメントが形成される(図3)
    二人目、三人目のフォロワーが続々と加わると、周囲は「自分も参加していいんだ」と思い、一気にムーブメントが広がります。最初は奇抜に見えたリーダーの行動が、“社会的に認められた”ものとして定着していくのです。
    • 会議のイメージ: 最初に賛同したフォロワーに続いて、他のメンバーも「なら、私もこんな案があります」「こういう視点はどうでしょう」と次々に意見を出し始める。結果、会議の熱量が高まり、斬新な合意や解決策が形成されやすくなる。
図1.1人目が勇気を持ち、
運動を始める
図2.そこにフォロワーである
2人目が参加する。
図3.最後にムーブメントになる

3-2. 会議の場における「最初のフォロワー」の意味

このTEDの事例が示唆するのは、リーダーだけではムーブメントは生まれないということ。会議でも同様に、リーダーが斬新な提案をしても、メンバーが静観しているだけでは議論が盛り上がりません。

  • 最初のフォロワーの役割
    1. リーダーのアイディアを“社会的に有用”なものへ昇華させる
      「あのリーダーの考え、良いと思います」と公に支持することで、他のメンバーも賛同しやすくなります。
    2. 周囲の警戒心を解く
      「このアイディアは突飛すぎるかも……」という不安を払拭し、メンバーが安心して乗っかれる環境を作る。

3-3. リーダーが最初のフォロワーを育てるコツ

  1. 勇気ある意見を歓迎する姿勢
    リーダーが「斬新な意見や反対意見を歓迎する」と明確に伝えることで、最初のフォロワーが出やすくなります。会議前や冒頭で「どんなアイディアでも否定しない」という方針を示すのも有効です。
  2. 小さな賛同を大切に扱う
    誰かが最初に賛成や提案を示したら、リーダーは「それはありがたい。さらに他の人の意見も聞きたい」と話を広げましょう。最初のフォロワーを称賛・サポートすることで、後に続くメンバーが出やすくなります。
  3. 意見を拾い上げ、具体的アクションに結びつける
    会議中にフォロワーがアイディアを出したら、その場で「それは面白い。じゃあ、この部分をどう実行すればいいか考えてみよう」とアクションプランにまで落とし込むと、周囲のメンバーも参加しやすくなります。

3-4. 事例を会議に活かすポイント

  • リーダーの初動: 新しい提案や問題提起をする際、明確に「みんなの力が必要」と訴え、孤独な挑戦者にならないよう呼びかける。
  • フォロワーが動きやすい環境づくり: 会議の冒頭で「どんな意見も歓迎する」と宣言し、最初のフォロワーを自然に生み出す。
  • ムーブメントの加速: 最初のフォロワーを後押しする言葉をリーダーがかけることで、他のメンバーが「自分も参加していいんだ」と思い、議論が一気に広がる。

「How to Start a Movement」の事例は、リーダーの存在だけではなく、最初のフォロワーがムーブメントの形成にいかに重要かを示しています。会議においても、最初の一人がリーダーに賛同し、積極的に意見を出すことで、他のメンバーも次々と意見を出しやすくなるのです。次章では、具体的にどのように会議でフォロワーシップを発揮し、全員参加型の議論を実現するか、そのステップを解説していきます。

4. 会議でフォロワーシップを発揮してもらう具体的ステップ

フォロワーシップは、メンバーが自発的に行動し、リーダーを建設的に支えることで、チーム全体のパフォーマンスを高める重要な要素です。しかし、メンバーがフォロワーシップを発揮しやすいかどうかは、リーダーの働きかけ次第でもあります。ここでは、リーダーの皆さんが会議の場でフォロワーシップを育むために意識すべき具体的なステップを紹介します。


4-1. 安心して発言できる「グランドルール」を整える

  • 明確にルールを宣言する
    「どんな意見もまずは受け止める」「否定や批判だけで終わらせず、建設的な提案をセットにする」など、会議中のルールを冒頭で明確に伝えましょう。
    • リーダーの一言例: 「今日はどんな意見でも歓迎します。むしろ違った視点のほうが嬉しいので、遠慮なく発言してください。」
  • 反対意見やリスク指摘を奨励する
    ただ賛成意見を募るだけではフォロワーシップは育ちません。「問題点を見つけてくれるのはチームにとって有益」というメッセージをリーダーが示すことで、メンバーが安心して批判的意見を出せるようになります。

参考記事:「「アジェンダ × グランドルール」で会議の質を劇的改善!?少しの工夫で最大の効果を実感!」


4-2. リーダーも弱みを吐露し、対等な雰囲気を作る

  • 完璧なリーダーを演じない
    リーダーが「すべてを把握している」という態度を取り続けると、メンバーは「指示を待てばいい」と受け身になりがちです。
    • リーダーの一言例: 「私もこの分野には詳しくない部分があるので、みんなの知恵を借りたいと思っています。」
  • 自分の課題や不安を共有する
    「このプロジェクトのリスクが心配なんだけど、どう思う?」といった形でリーダーが率先して課題をオープンにすることで、メンバーも「自分も意見を言っていいんだ」と思いやすくなります。

4-3. フォロワーシップを育むための接し方

  1. 意見に対して即時の肯定を示す
    メンバーが発言したら、まず「ありがとう」「面白い視点だね」とポジティブな反応をしましょう。フォロワーシップを育むには、発言が歓迎される雰囲気が欠かせません。
    • リーダーの一言例: 「その考え方は新鮮だね。もう少し詳しく教えてくれる?」
  2. 提案を具体化して行動につなげる
    「それはいいアイディアだね」で終わらせず、「では、それを実現するには何が必要か?」「誰が動くと効果的か?」といった次のステップを共に考えましょう。メンバーは自分の意見が具体的な行動に反映されることで、主体性をさらに高めます。
    • リーダーの一言例: 「今のアイディア、来週までに試作してみる? その担当はどうする?」
  3. メンバー同士のサポートを促す
    「AさんのアイディアにBさんの経験が加わるともっと良くなるのでは?」とリーダーが橋渡し役を担うことで、フォロワー同士が補完し合う関係が生まれやすくなります。

4-4. 成功体験を共有し、フォロワーシップを強化する

  • 小さな成功でも大きく称賛する
    メンバーが主体的に動き、何らかの成果を得たら、会議の場で大いに称賛しましょう。「○○さんが自主的に進めてくれたおかげで、予定よりも早く進みました!」といった具体的なフィードバックが、次のフォロワーシップを育むきっかけになります。
  • チーム全体で成果を振り返る
    定期的に「誰がどんなフォロワーシップを発揮してくれたか」を振り返り、学びを共有する。これにより、他のメンバーも「自分も積極的に動けば評価されるんだ」と実感できます。

4-5. 会議でフォロワーシップを引き出すリーダーのマインドセット

  1. 自分が決めすぎない
    何でもリーダーが決めてしまうと、メンバーは「リーダーの指示に従うだけ」で終わってしまいます。あえて結論をメンバーに委ねることで、主体的な意見が出やすくなります。
  2. フォロワー同士をつなげる
    メンバーがそれぞれの強みを活かせるよう、リーダーが「○○さんと△△さんが組むと面白いかも」と橋渡しを行うと、自然とフォロワー同士の協力関係が生まれやすくなります。
  3. 失敗や対立を恐れない
    議論の中で衝突やリスクが出てきても、「それは新しい学びのチャンス」とポジティブに捉えましょう。リーダーが失敗を許容する姿勢を示すことで、メンバーは気兼ねなく意見を言えるようになります。

フォロワーシップが会議で発揮されると、メンバーが自ら意見を出し合い、議論が深まるだけでなく、合意形成もスムーズになります。リーダーの皆さんは、こうしたフォロワーシップを育むために、グランドルールの設定や自分の弱みの開示、メンバーの意見を具体的な行動に結びつけるなど、さまざまな工夫を行ってみてください。次章では、心理的安全性とフォロワーシップの関係についてさらに掘り下げ、チーム全体の成長を促す仕組みを解説していきます。

5. 心理的安全性とフォロワーシップの関係

フォロワーシップを高めるために重要な要素の一つが心理的安全性です。リーダーがどれほど「意見を出してほしい」「フォロワーシップを発揮してほしい」と願っても、メンバーが「発言すると怒られるかも」「リスクを取ると評価が下がるかも」と感じてしまうと、主体的に行動する意欲を失ってしまいます。ここでは、心理的安全性がフォロワーシップとどのように結びつき、会議の場でどのように作用するのかを見ていきましょう。

参考:Google記事「効果的なチームとは何か」を知る


5-1. 心理的安全性とは何か

心理的安全性(Psychological Safety)とは、「自分の意見やアイデアを自由に言っても、否定や嘲笑を受けない」という安心感を指します。たとえば、会議中に「これは馬鹿げた意見だ」とリーダーや同僚から言われたら、その人は次回以降、発言を控えてしまうでしょう。

  • 心理的安全性の特徴
    1. 間違いや失敗を恐れずに意見を言える
      「仮に外れていても、そこから学べばいい」という姿勢が共有されている。
    2. 個人攻撃ではなく建設的な議論を行う
      意見と人格を切り分けて扱い、批判する場合もあくまで内容や方法にフォーカスする。
    3. チームが相互にサポートし合う文化がある
      他のメンバーの意見に補足や改善案を出し合い、全体で成果を高めようとする。

5-2. なぜ心理的安全性がフォロワーシップに不可欠なのか

  1. リスクを取る勇気が出る
    フォロワーシップを発揮するには、時にリーダーと異なる意見を言ったり、新しい提案をしたりといったリスクが伴います。心理的安全性があれば、メンバーは「失敗しても怒られないし、そこから学べる」と感じ、積極的に意見を出せるようになります。
  2. 相互フィードバックが活性化
    フォロワーがリーダーに対しても遠慮なく問題点や改善策を指摘できるのは、安心して発言できる雰囲気があるからこそです。リーダーにとっても、メンバーからのフィードバックはチーム全体を前進させる貴重な情報源となります。
  3. 失敗や衝突を建設的に捉えられる
    会議の場で、意見の食い違いや衝突が起きても、それをチャンスと見なして「どうすればより良いアイディアに繋げられるか」を考えられるのは、メンバーが安心して議論できるからです。心理的安全性がなければ、衝突を恐れて議論が停滞してしまいます。

5-3. リーダーが心理的安全性を高めるためのヒント

  1. 自ら失敗や課題をオープンにする
    リーダーが「実は自分もここがわからない」「前にこういう失敗をした」と率直に共有すると、メンバーも「失敗しても大丈夫なんだ」と感じ、意見を言いやすくなります。
    • 現場イメージ: リーダーが「この新企画、予算面でのリスクをうまく把握できていなくて……誰か助けてくれないかな?」と打ち明けると、メンバーは「自分も考えてみよう」と主体的に動き始める。
  2. 否定的な反応を抑え、肯定的に受け止める
    メンバーが提案や問題提起をした際に、「そんなの無理だよ」「意味がわからない」といった否定や嘲笑で返すと、心理的安全性は一気に損なわれます。まずは「いい視点だね」と肯定し、その上で建設的に議論を進める姿勢が重要です。
  3. 衝突を“学びの機会”に変える
    「意見が違う=対立」ではなく、「新しい発想が生まれるチャンス」と捉えましょう。リーダーが「ここはあえて意見をぶつけ合おう」と前向きに衝突を促すことで、メンバーは安心して自分の立場を表明できます。
    • 現場イメージ: 「AさんとBさんの意見は正反対だね。でもそれって、もっといい折衷案があるんじゃない? 一緒に探してみよう!」

5-4. 会議での心理的安全性がフォロワーシップを加速する

  • メンバー同士が自由に補完し合う
    安心して発言できる環境では、「○○さんのアイディア、うちの部署のリソースを使えばさらに発展できるかも」といった補完的な提案が自然に生まれます。
  • リーダーへの批判や建設的フィードバックが出やすい
    リーダーが「もっといい方法ない?」とメンバーに聞ける雰囲気があれば、フォロワーシップが発揮されやすくなり、結果的により良い意思決定へとつながります。

心理的安全性が高い会議では、フォロワーが積極的にアイディアを出し、リーダーにとっては「気づかなかったリスクや改善策」を得られる絶好の場となります。フォロワーシップを最大限に活かすためには、リーダーが自らオープンな姿勢を示し、メンバーに対しても否定や嘲笑をしない文化を根付かせることが欠かせません。次章では、これらの要素を踏まえ、会議を全員参加型にするための最終的なまとめとアクションプランを提示します。

6. まとめ:フォロワーシップで全員参加型の会議へ

フォロワーシップは、リーダーの指示を待つだけではなく、自分自身の意見や行動でチームを前進させる主体的な姿勢です。リーダーが場を整え、心理的安全性を高めることで、メンバーは安心してアイディアや問題点を提起し、建設的なフィードバックを行うことができます。会議が「リーダーの決定を聞くだけの場」から「全員が意見を出し合う創造的な場」へと変われば、組織全体のパフォーマンスも飛躍的に向上します。

フォロワーシップを会議で活かすポイント
  1. 明確なグランドルールの設定
    どんな意見もまずは受け止め、批判よりも建設的な提案を重視する姿勢をリーダーが明確に示す。
  2. リーダーの弱みや課題をオープンに
    「リーダーも完璧ではない」ことを示すと、メンバーは「自分も発言していいんだ」と感じやすくなる。
  3. 積極的に意見を拾い、具体的アクションにつなげる
    メンバーが出したアイディアや問題提起をスルーせず、「では、どう実行する?」と一緒に考える。
  4. 心理的安全性の維持
    失敗や異なる意見を歓迎する文化が、フォロワーシップを加速させる最大の要因となる。
全員参加型の会議がもたらすメリット
  • 多角的な視点で意思決定の質が高まる
    リーダーの視点だけでは気づけないリスクやチャンスを、メンバーが発見・提案できる。
  • 納得感が強く、実行力が向上
    「自分が関わった決定だ」と感じられるため、会議後のアクションフェーズでも意欲が持続する。
  • チームの学習機会が増える
    お互いにフィードバックし合うことで、スキルや知識の共有が進み、組織の総合力が高まる。

株式会社aundのご紹介

株式会社aundでは、組織やチームの会議運営を改善し、リーダーシップとフォロワーシップを両輪で育むための実践的なノウハウを提供しています。心理的安全性の高い会議づくりやファシリテーション研修など、貴社のニーズに合わせたサポートを行っています。詳しくはお気軽にお問い合わせください。


リーダーとフォロワーが相互に補完し合い、全員が主体的に参加する会議は、組織の未来を切り拓く力となります。リーダーとして、フォロワーが動きやすい環境を整え、メンバーを尊重する姿勢を示すことで、会議は単なる情報共有の場を超えた“創造の場”へと進化するのです。

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