犬と猫の地域包括ケアをめざして/20回目:有料化検証とOKR設定。600人のデータが事業の論拠になる
📅 2026年9月14日(月)|第20回 デザインスプリント
この回のポイント
- 有料転換の検証を本格化——まず母数を増やすことから始める
- 獣医師ネットワーク経由で600人規模の無料ケアプラン展開を検討
- データが集まれば事業の論拠になる——融資・提携にも使える
- OKRを初めて設定。12月末に向けて3つのKRで動き出す
前回(第19回)で事業モデルを再整理してから、今回は「では実際にどう検証するか」にフォーカスした打ち合わせとなりました。
無料ケアプランへの反応は良い。でも、有料に進む人がまだいない。——この状況に対して、「まだ有料課金するほどの母数がそもそもない」という冷静な見立てから議論がスタートしました。
600人への展開——データが事業の論拠になる
今回出てきた具体的な提案が、連携している獣医師の患者さん約600人に無料ケアプランを届けることです。
セミナー参加者だけを対象にしていると、母数が小さすぎて「有料に進まない」のか「サービスが刺さらない」のかが判断できません。600人規模に展開すれば、
- 実際に何人が有料に進むか
- どんな状況の飼い主が反応するか
- ペットの年齢・状態・介護フェーズの分布
といったデータが手に入ります。これは単なる検証データではなく、将来の融資や提携先への説明で「これだけの規模で、これだけの傾向がある」と示せる事業の論拠になります。
もし想定以上の反響があってキャパを超えたとしても、「予想以上の反響につき、丁寧に返信します」と誠実に伝えればいい——そのくらいの気持ちで動いてみることになりました。
つながりが命を支えた——ある訪問のエピソード
今回、打ち合わせの中で一つの実話が共有されました。
在宅で呼吸疾患を抱えるペットの飼い主が、緊急の状況に。担当の獣医師が対応できないタイミングで、訪問獣医師のオープンチャットに投げかけたところ、深夜にもかかわらず40件以上の反応があり、遠方から獣医師が駆けつけてくれた——というものです。
その子はちょうど獣医師が到着したタイミングで亡くなりましたが、飼い主は「なんとかしようとしてくれた人がいた」ことに深く感謝していたといいます。
飼い主のケアも、やっぱり大事なんだと改めて感じた。
このエピソードは、「犬と猫のケアマネ」が目指すものの本質を改めて示してくれました。つながりがあるから、声をかけられる。声をかけられるから、誰かが動ける。そのインフラを地域につくることが、このプロジェクトの根幹です。
OKRを設定——12月末に向けた3つの指標
今回、初めてOKRを設定しました。

Objective(目標):「公式LINEに登録して、継続的な仕組みがある」——12月末までに
| KR | 指標 | 目標 |
|---|---|---|
| KR1 | 公式LINE登録者数 | 1,000人(現状の約100倍) |
| KR2 | 無料相談会からの有料転換率 | 30% |
| KR3 | 本気のビジネス向け発信 | 週2本 |
KR1の「1,000人」は現状の約100倍という数字です。大きな目標ですが、獣医師ネットワーク経由の展開や無料相談会の積み重ねでリーチできる数として設定しました。
KR2の「30%」は、無料相談会に来た方のうち3割が有料ケアマネ相談に進むことを目指す指標です。まずは有料の価値をきちんと伝えること、そして転換しない方の声を丁寧に拾うことが先決です。
ビジネスと非営利のあいだで
今回の議論では、「これはビジネスなのか、非営利活動なのか」という問いも出ました。
先のエピソードのように、専門家同士がネットワークを通じて困っている人を助ける活動は、本来は非営利の文脈に近いものです。しかし、活動を続けるためには人件費がかかる。相談に乗るには時間がかかる。だからこそ、有料相談という収益モデルをきちんと成立させることが必要です。
「お金をもらいすぎると変な感じになる」という感覚は正直なものですが、適切な対価のないサービスは続きません。ケアマネとして「相談に乗り、つなぐ」機能を継続できる仕組みを、今後も丁寧に検証していきます。
次回に向けて
- 獣医師ネットワーク経由の無料ケアプラン展開を実施
- 有料相談の価値を明文化し、LINE登録者へ案内
- 有料に進まなかった方への聞き取りを継続
- 看護師協会との連携について対話を進める
- OKRのKR3に沿って、週2本ペースの発信を開始
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