犬と猫の地域包括ケアをめざして

――第8回 ファシリテーション記録(2月24日)

第8回は、第7回で確定した課題
「取っかかり(入口)が見つからない」を起点に、
解決に向けて発想→統合→選定
まで一気に進めた回でした。

新規事業は、“良いアイデア”よりも先に、
「問いが良い状態」になっていることが大事です。
今回は、まさにそこを整えた上で、チームとしての方向性を決めにいきました。


■ セッション概要

日時:2月24日(火)9:30〜12:00
テーマ:ターゲット定義/課題の再定義(HMW)/アイデア創出と絞り込み


■ ターゲットと課題認識の再確認

ターゲットは、犬猫の介護・看病に悩む飼い主(主に中高年層を想定)。
その上で、痛点をもう一度“言葉”で揃えました。

  • 不安と孤立の中で「何をしてあげられるか」がわからず、負のスパイラルに入る
  • ヒト・モノ・サービスの「入口」が見つからない
  • 情報や商品はあるのに、選べない(選択のパラドックス)
  • 根拠や共感が得られず、具体策にたどり着けない

■ 課題の再定義(How might we)

今回合意した問いは、こちらです。

どうすれば飼い主が、介護・看病サービスにたどり着く“きっかけ”を見つけられるだろうか。

ここで重要だったのは、
「検索で見つけられるようにする」だけでは不十分、という整理です。

  • 飼い主は“探す前”に、まず不安と混乱の中にいる
  • だから、検索に依存しないハブが必要
  • オンライン導線と、リアルの接点(体験・安心)の両輪が必要

■ 進め方:発想→他業界→統合→投票

ワークの流れは次の通り。

  1. 個人ブレスト(タイムボックスで量を出す)
  2. 他業界の参考探索(犬猫以外の仕組みから“きっかけ作り”を借りる)
  3. 共有と統合(組み合わせて強い案にする)
  4. 投票(ヒートマップ)で方向性を絞る

発想の質は、発想の仕方で決まります。
今回は「筋の良い問い」と「他業界の型」を使ったことで、議論が一段深くなりました。


■ 合意した方向性

結論として、チームは次の方向で進めることを合意しました。

オンラインコミュニティ × AIコンシェルジュ を組み合わせた“ケアギルド”型の入口づくり

ポイントは、単なるコミュニティではなく、
飼い主が「次に何をすればいいか」を決められること。

  • 先輩飼い主の経験知が“安心”をつくる
  • AIコンシェルジュが状況整理・選択肢の絞り込みを支援する
  • 必要に応じて、リアルな場(体験会・相談会)にもつなげる
  • やり取りが蓄積されるほど、支援の精度が上がる

“入口(ハブ)”の設計として、一番筋が良い案が残った、という感覚です。

※ここでは具体的なツール名・実装詳細は伏せますが、
「小さく始めて、学びながら精度を上げる」MVP前提で議論しています。


■ リスクも先に織り込む

方向性が決まったときほど、次に必要なのは「盲点つぶし」です。
今回は、以下の留意点も同時に確認しました。

  • 入口はシンプルに(体験が複雑化すると離脱する)
  • オンラインだけに偏らず、リアル接点も設計する
  • 記録・プライバシー・モデレーション(運営ルール)を先に整える
  • 似た取り組みとの差別化は「当事者×伴走×リアル連動」でつくる
  • 選択肢過多を防ぐため、レコメンドは“絞る”設計にする

新規事業は、アイデアよりも運営設計で失速します。
ここを早い段階で議論できたのは大きい前進でした。


■ ファシリテーターとしての所感

この2回(第7→第8)の流れは、新規事業の肝の部分でした。

  • インタビューで現実を掴む
  • 課題を一文に収束する
  • 良い問いを置く
  • 他業界の型で発想を広げる
  • 統合して、決める

「ふわっとした良い話」ではなく、
次のアクションが切れる状態まで持っていけたのが成果でした。


■ 次回に向けて

次回は、合意した方向性を“実装できる形”に落とします。

  • サービスのスコープと名称案
  • コミュニティ構成(参加要件/役割/人数感)
  • オンライン導線(入口→伴走→次の一手)
  • 運営ルール(記録・プライバシー・安全設計)
  • MVP計画(小さく始めて学ぶ)

ファシリテーター: 株式会社aund 代表取締役 栗林 陽
テーマ: 新規事業ファシリテーション(課題収束→方向性決定)

第1回目の投稿:https://aund.jp/archives/2020

第7回目の投稿:https://aund.jp/archives/2326