犬と猫の地域包括ケアをめざして
――第7回 ファシリテーション記録(2月17日)
第7回は、これまで実施してきた5名分のインタビュー結果をもとに、
「結局、飼い主さんは何に一番つまずいているのか?」を言葉として確定させる回でした。
新規事業は、仮説が増えるほど前に進んでいるように見えます。
でも実際は、仮説が増えれば増えるほど“論点が拡散”し、意思決定が遅くなる。
だからこそこの回では、インタビューの“生の声”から、課題を一点に収束させることを狙いました。
■ セッション概要
日時:2月17日(火)9:00〜12:00
テーマ:インタビュー結果に基づく課題の明確化(Miroでの整理)
■ 本日の目的
5名のインタビューから見える「共通項」を抽出し、
次の打ち手(解決コンセプト)につながる“課題の核”を確定する。
■ 進め方:3つの箱で整理する
今回は、Miroを使いながら、発言や気づきを次の3カテゴリで括りました。
- 気づいたこと:事実として見えた傾向
- 疑問に思うこと:まだ確かめたい問い
- 課題に思うこと:事業として解きにいくべき痛点
この3つに分けるだけで、チームの会話はグッとクリアになります。
「感想」と「課題」を混ぜない。
新規事業の会議で、これが地味に効きます。
■ 到達した結論:課題の核
整理の結果、今回の課題は次の一文に収束しました。
飼い主が、犬猫介護の「ヒト・モノ・サービス」の取っかかり(入口)を見つけられない。
ここがポイントで、
サービスや商品が“世の中に無い”わけではありません。
むしろ「ある」。
しかし、犬猫は個体差が大きく、さらに病状は千差万別。
その中で「自分の子に合うもの」を見つけるのは、飼い主にとって難易度が高い。
■ なぜ“取っかかり”が見つからないのか(構造)
議論の中で、次の構造が見えてきました。
- 同じ症状名でも、家庭ごとに条件が違う(生活、体格、性格、病状、予算…)
- 身近なつながり(友人・コミュニティ)には、重い相談がしづらい
- 相談しても「個体差が大きい」ことを飼い主自身が理解しているため、答えが得にくい
- 医療側も、周辺サービスや商品すべてに詳しいわけではない
- 情報はあるのに、“選べない・決められない・試せない”が起きている
つまり、問題は「情報不足」だけではなく、
“自分ごとに翻訳してくれる伴走者/ハブ不在”に近いと整理できました。
■ ファシリテーターとしての所感
この回で良かったのは、チームが「便利なサービス案」ではなく、
“飼い主のつまずき方”そのものに視点を合わせられたことです。
新規事業で一番怖いのは、解決策が先に走ること。
課題が曖昧なまま解決策を磨くと、あとで全部やり直しになります。
今回、課題が一文になった。
それだけで、次の打ち手の精度が一段上がります。
■ 次回に向けて
次回は、この「取っかかり問題」をどう解くか。
ターゲット定義と課題の再定義(How might we)を行い、
解決コンセプトへ踏み込みます。
ファシリテーター: 株式会社aund 代表取締役 栗林 陽
テーマ: 新規事業ファシリテーション(探索→収束)

